なぜエクセル?
仕事でエクセルを使われている方は多いと思います。私は、以前エクセル(+オラクル)を使ったシステム開発を行っていました。その経験から、エクセルは非常に優れた開発環境であり、ユーザーインターフェースであると思っております。
(もちろんアクセスやC言語などでの開発も経験しています。というよりその方がメインでした。) 開発環境というとVB(Visual Basic)やアクセス(MS Access)等が有名ですが、中小企業で活用するには以下の問題点があります。
- 開発に専門的知識が必要である。
- 出てきた表などを二次的に利用できない。
- ちょっとした修正も専門家に頼まなければならない。
1.については、コンピュータを良く知っている知人などに薦められてアクセスを導入したが使えてないという方が多いのではないでしょうか?
アクセスというソフトは、簡単にデータベースを作れるのですが業務に利用するにはしっかりした設計が必要です。
(年賀状や住所ラベル、CD等のリスト程度であればすぐ出来ます)
しかも、同じ機能のシステムを作るのに色々な方法があるので他人が作ったプログラムを修正することが非常に困難です。
2.もアクセスやVBで表示される画面がエクセルのような感じなのでよく勘違いされるのですが、あくまでコンピュータ上のデータを表形式に表示しているだけなので本当の表として活用できません。(特にアクセスでテーブルを表示したときに勘違いされます)
3.の修正については、最初に開発したときと同等かそれ以上の費用がかかったりします。エクセルであれば、自社の社員の熟練度にあわせて利用できます。また、VBやアクセスで出来る程度のことであればたいていの事がエクセルで実現可能です。
(しかも最近のパソコンにはおまけでエクセルが付いています)
当ページでは、エクセルで出来ることを例示して見たいと思います。
エクセルで出来ること
では、実際にエクセルで出来ることは何でしょう?
通常は、以下の使い方が考えられます。
- 表を作る。(ワープロ的利用方法)
- 集計表を作る。(計算機代わり)
- データの蓄積をする。(データベース的活用)ちょっと便利な関数も参照ください。
上記の機能を組合わせても使えます。
更に進んだ使い方として・・・
- マクロ機能を利用して操作を自動化する。
- 入力画面を作り、誰でも使えるようなプログラムを作成する。
- アクセス等のデータベースとの連動。
- ホームページビルダー等と組合わせて、ホームページの編集。
- アドインの活用で、メールの送受信など。
等があります
1.のマクロは、実際の操作を記憶させる機能を利用します。またマクロをうまく使えば、複数のエクセルファイル(形式などは同じ物)を1つのエクセルにまとめるなども可能です。(個人ごとに管理している顧客リストを必要なときに全社のリストにするなど)
2.の入力画面の作成には、知識が必要ですが入力後の表はエクセルなので修正などの2次利用が簡単に出来ます。
3.についてはあまり知られていませんが、アクセスで作成されたデータであれば簡単にエクセルに取り込んで活用できます。更に、アクセス等にエクセルからデータを書き込んだりも可能です。
4.については、ホームページに表(在庫表等)を表示したいというニーズはあると思いますがHTML(ホームページを記述する言語)で表を作成するのは意外と難しいものです。そこで、表示したい表をエクセルで作成してあればその表をホームページビルダーの編集画面にコピー(複写)&ペースト(貼り付け)することで簡単に表形式のページを作れます。
5.は更に知られていませんが、あるフリーソフト(無料で使えるプログラム)を使えばエクセルでメールの送受信ができます。もちろん、エクセルでメアドを管理しているお客さんにメールを送ることも可能です。
これらの機能を全て使うには、それなりの知識と経験が必要です。しかし、元となるのはエクセルの表なので今使っているエクセルでやりたいことがはっきりすればいろんな事が出来ます。
なぜエクセルは嫌われるか
なぜ、出力結果としてのエクセルが嫌われるのでしょう?
以下の2つの表を見てください。
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皆さんが欲しくなる帳票は「表2」ではないでしょうか?
ところが、エクセルで「表2」のような物を作るのは結構大変だし、作った後の再利用(得意先ごとの分析や、商品ごとの分析)が出来ません。
なぜかと思っていろいろ考えた結果、日本人の表に対する考え方がエクセルのコンセプトに合ってないのではないかと考えました。
日本人にとって「表=プレゼンテーションツールの一つ」ですが、エクセルのコンセプトは「表=分析データ」であり「グラフ=プレゼンテーションツール」なのです。
日本人ならこの表に「合計金額=14600」が付いていれば、各行の割合がだいたいイメージできるのではないでしょうか?
多分、エクセルのコンセプトでは「割合はグラフ化すべき」だと思われます。
その証拠に、エクセルの解説本にやたらとグラフの解説が多いと思いませんか?(日本人はそれほどグラフを多用しませんよね)
一時期、私も「プレゼンテーションの資料は綺麗なグラフを多用するのが良い」みたいな指導を受けたことがあります。
しかし、私の感じ方ではグラフを見るより簡潔にまとまった表を見たほうが全体イメージがわくように思います。
つまり、エクセルの表は「データ」であって、結果ではないという考え方だと思います。結果はあくまでグラフなんです。
つまり、分析ツールとしてエクセルを活用し「プレゼンテーション」に使うときは加工が必要だと割り切って使うことが必要です。
しかし、表の見易さは慣れです。綺麗な文章を作るときは、我々もグラフ(+表)を活用しエクセルの表を「データ」として割り切ることが近道だと思います。
よく、「パッケージは割り切って使え」と言いますがエクセルも「割り切って」使いましょう(-_-)
エクセルを使い倒したい方は・・
ITコーディネータ、志多木までご連絡ください。